第37章 欲しい未来
散々悩んで出した答えが、リヴァイの一言で、
こうも簡単に揺らぐものなのか……
エマは目を瞑り、必死に考えを巡らした。
リヴァイを側で支えたい気持ちは、
前と変わらず強くある。
だが、リヴァイの側にいる、
今自分がその選択をして
一体誰が幸せになるんだろう。
100%の気持ちで愛せない相手を、
どうやって幸せにするんだろう。
エマはゆっくり目を開けると、
リヴァイを見つめ返した。
「私がリヴァイさんを
大切に思う気持ちに変わりはないです。」
リヴァイはエマを見つめたまま、
黙って話を聞く。
「何より、リヴァイさんには
幸せになってもらいたんです。」
エマは力強く言った。
「それならお前が俺の側にいろよ。」
リヴァイはエマの頬にそっと触れる。
エマは自分の頬に当てられた
リヴァイの手に、優しく手を重ねると
「今の私に、リヴァイさんを
幸せにすることはできないです……」
そう言って、小さく息を吐く。
「今の私は、完全な気持ちで
リヴァイさんを愛せてないです。
……ずっと心が揺れ動いたままで、
今はまだ、止まる気がしないんです。」
リヴァイはエマの心を
引き留めるかのように、強く抱きしめた。