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自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第37章 欲しい未来



「大丈夫。こうやって手当できるのは、
ジャンが生きて帰ってきてくれたからだし。」

エマはそう言いながら、
傷にガーゼを当て、

「……ジャン。
生きて帰って来てくれて、ありがとう。」

と、笑顔でジャンに言った。


ジャンは安堵したように
エマの目を見つめると、

「待っててくれてありがとう。
ただいま。」

そう言ってエマに笑いかけた。





エマはジャンの右腕に包帯を巻きながら、

「これ、やっぱり医者にも
見てもらった方がいいと思うよ。
前みたいに化膿したら、また大変だし。」

と、心配そうにジャンに目を向ける。


「そうだな……
もう少し落ち着いたら、見てもらう。」

ジャンはそう言いながら、周りを見渡した。



軽傷の兵士もいれば、
つい先程息を引き取った兵士もいる。

兵士の唸り声、泣き声、怒鳴り声が
至る所から聞こえ、
講堂には様々な負の感情が溢れていた。




「……確かにこの状況だと、
診てもらうのは、まだ先になりそうだね。」


包帯を巻き終えたエマは、

「包帯変えることくらいなら
できるから、いつでも声かけてね。」

と、ジャンの手をそっと握った。


ジャンはエマの手を握り返すと、

「ありがとう。
多分また頼むことになると思う。」

そう言って、強ばった笑いを口元に浮かべる。


エマはすかさずジャンの頭を乱暴に撫で、

「無理したらダメだからね。
他にも困ったことあったら、
何でも相談してよ?」

と、嘆願するように言った。

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