第6章 縋れる相手
エマの泣き声が収まってきた頃、
「リヴァイと何かあったんだな。」
と、エルヴィンは
エマの肩を摩りながら言う。
エマは話したら
また涙が零れそうな気がして、
エルヴィンの胸でゆっくり頷いた。
「……そうか。」
エルヴィンは無理にエマから
話を聞き出すことはせず、
また沈黙すると、
エマの頭を優しく撫でる。
「………すいませんっ、
結局エルヴィンさんに頼ってます、」
エマは声を詰まらせながら言った。
「いいんだ。」
エルヴィンの手は相変わらず温かく、
エマの心を落ち着かせる。
「私、判断を間違えたんですかね……?」
「それは君が決めることだよ。」
エルヴィンはエマを少し離すと
「リヴァイと関係を戻したことを、
後悔してるのか?」
そう言ってエマの目を
真剣な表情で見つめた。
「……まだ分からないです。
でも、少なくとも今は、
少し後悔したかも知れません。」
「そうか。
……彼は相変わらず、君には何の心配も
かけたくないんだろうな。」
エルヴィンは再びエマを抱き寄せる。