第6章 縋れる相手
食堂で新しい節約レシピの考案を思考するが、
先ほどの出来事が頭から離れず、
エマは頭を抱える。
“お前には関係ない”
リヴァイからのその一言は、
エマの心を深く抉った。
その時、
「エマ。」
優しい声に呼び掛けられ、
エマは顔を上げる。
「……何かあったのか?」
エルヴィンは分厚い本を片手に、
エマの顔を心配そうに覗き込んだ。
「エルヴィンさん、」
エルヴィンの顔を見ると、
何故か涙が込み上げて来て、
エマはまた顔を伏せる。
「……すみません、
なんか、混乱してる最中です……」
エマは涙を堪えながら、やっとそう言う。
「そうか。」
エルヴィンはエマの隣に座ると、
本を机の上に置き、
「こんな遅くに、
誰も食堂へは来ないだろう。
構わず泣けばいい。」
と、エマの髪をそっと撫でた。
エマは思わずエルヴィンの胸に縋ると、
嗚咽を漏らしながら泣き始める。
エルヴィンは優しく
エマの背中を摩った。