第36章 自分の意思
「おかしくないよ。」
エルヴィンはそう言いながら、
エマの口にゆっくり指を入れた。
エマは思わず声を漏らすと、
エルヴィンの手を掴み、指を抜こうとする。
だがエルヴィンは気にする様子もなく、
中指と人差し指で、
エマの口内をゆっくり掻き乱した。
「いやらしい顔だな……」
エルヴィンはそう言いながら、
息が上がって来たエマを見つめた。
エマは言葉を発することが出来ず、
小さく声を上げると、
「どうした?
したくなってきたのか?」
そうエルヴィンに声を掛けられ、
首を横に振る。
だが実際は、身体は熱を持ち、
下半身は既に疼いてきていた。
エルヴィンは悪戯な表情で笑みをこぼすと、
ゆっくり唇をエマの首元に這わした。
その時、エマは思い立ったかのように、
エルヴィンの指を強く噛む。
エルヴィンはエマの突然の行動に驚き、
口内から指を抜いた。
「……はぁっ……、
いくらエルヴィンさんの、
テクニックがすごくても、
いつでも、思い通りにいくと、
思わないで、下さいっ、」
エマは息を弾ませながら言う。
「……っ、と言うか今はまだ、
リヴァイさんの恋人なので、
身体の関係は、もう持ちませんよ、」
エルヴィンは荒く呼吸をしながら
訴えかけてくるエマを見ると、
思わず吹き出した。