第35章 揺れ動き続ける
「……エマ。
私が君に何を言われても、
期待しないと思っているのか?」
エルヴィンは
ため息を隠すように言った。
「そこまで言われて、
私が君を諦められると思っているのか……?」
エルヴィンはそう言うと、
再びエマの手を握る。
「……君が欲しい。
君の心も身体も全部、
私が一人で独占したいんだ。
愛してもらえなくていいなんて
本心なはずがないだろう……」
「……それ言ったの、覚えてたんですか?」
エマは思わずエルヴィンを見入った。
「いや。君の反応を見て、
きっと言ってしまったんだろうと
思ったんだよ。」
エルヴィンは小さく笑う。
「……だが、もう無理だ。」
エルヴィンはベッドに手を突くと、
エマの顔を正面から見つめた。