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自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第35章 揺れ動き続ける



「すみません……
……エルヴィンさんが、
私から離れていくのが、怖いんです……」



自分の声が、
冷静さを失い震えていることには、
随分前から気付いていた。

この感情が湧き出てくるのは
風邪で不安だからでも、
独りが寂しいからでもないことにも
気付いていた。



自分がこれほどまでに動揺しているのは、
エルヴィンに突き離されるのが怖いからだ。



これだけ言っても、
もし、エルヴィンに突き離されたら。

そんなことを考えたくなかった。




自分の心は、ずっと揺れ動いたまま、
止まることがないようにも思える。

こんな状態で、
誰かの恋人になること自体、
間違っていたのかも知れない。

これでは、ずっと堂々とした
二股をかけているようなものだ。


自分が強く軽蔑することを、
自分自身がしている。


分かっているのに、
この揺れ動く心を止めることが出来ない。

いや、止めるつもりがないのかも知れない。



どれだけ自分は軽薄な人間なんだろう。



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