第35章 揺れ動き続ける
「……君を愛してる。
もうこんな言葉では言い表せない程に
君のことを想っているんだ……」
「それなら、最後まで私の話を」
「ダメだ。聞けない。」
エルヴィンは強い語調で、
再びエマの言葉を遮った。
「言っただろう?
私は、君が一番幸せになる方法を
自分で選択して欲しいと。」
エルヴィンはエマから手を離した。
「今、君を揺り動かしているのは、
私のこの感情だ。
君自身が私を選択しているのではない。」
エルヴィンの声から、強い感情が読み取れる。
「君の幸せを一番に願っているはずだったが、
……私がそれを、ずっと邪魔していたんだよ。」
「……それなら、
私は邪魔されたら揺らぐような心で、
リヴァイさんを愛していたってことですか?」
「違う、そういう事を言っているのでは」
「そうではないなら、どういう事なんですか?
結局私は、誰も愛せてなかった
って事なんですか……?」
エマは強く目を瞑った。
もう感情を抑えられそうにない。
伝えてしまって楽になろう……