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自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第35章 揺れ動き続ける




「熱が高いな……」


エマは微睡みの中、
優しい声に耳を傾ける。


その声の主は、
エマの額に手を当てた後
濡れたタオルを額に乗せた。


そして、
控え目に椅子を引く音が聞こえた時、

「エルヴィンさん……?」

エマはゆっくり目を開けた。


「ああ。目が覚めたのか。」

エルヴィンは安堵したように息を吐き、

「熱がかなり高いようだが。
また無理をしていたんだろう?」

と、エマの顔を見つめた。



「……本当に君は、
心配をかけるのが得意だな。」

エマはそう言うエルヴィンを見て、
小さく微笑む。


「笑うところではないんだが。」

エルヴィンはそう言いながらも、
少し頬を緩めた。



そして、椅子を後ろに引き、

「水を持って来る。しばらく寝て」

と言いかけて、エマに袖を掴まれ

「ここに居てください。」

と、消え入りそうな声で言われる。



エルヴィンは目を瞑り、一瞬躊躇うが
再びエマの方を向くと

「……分かった。」

そう言って、優しい表情で笑った。

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