第34章 魅かれた女性
ナイルは青褪めたまま
エルヴィンの言葉を受け、
目を瞑って考えを巡らす。
ナイルの知っているリヴァイは、
声を掛けてきた女に清潔感があり、
そこそこ美人でさえあれば
性欲処理の為に抱き、
その女がリヴァイをまた強く求めたとしても
簡単に突き離し、また別の女を抱く、
という繰り返しをしていたような男だった。
「いや、だがリヴァイは、そんな一途に
女を想うような男ではなかっただろう!?」
ナイルは声を荒げて、
エルヴィンの肩を勢いよく掴んだ。
「そうだな。
だが、それは彼女と出会うまでの話だ。
あいつはエマと出会って変わった。」
エルヴィンはそう言うと、少し頬を緩める。
「彼女は……エマはリヴァイ程の男を
一途に想わせることができるような
女だったのか……?」
ナイルの驚嘆する表情を見て、
「ああ。
エマはそれくらい魅力的な女性だ。」
と、エルヴィンは
ハッキリとした口調で言った。
ナイルは一言、
「……そうか。」
と言うと、エルヴィンの肩を叩く。
「まぁ、俺やお前が
惚れるくらいの女だからな。
そりゃあ、そのくらいの力は
持ってるだろうな。」
「……お前は元々惚れっぽかっただろうが。」
エルヴィンは思わず突っ込みを入れた。