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自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第33章 心に触れるたび




「……すみません、」

ただ謝ることしかできなかった。
その言葉以外、
発してはいけない気がしていた。



もうエルヴィンに期待を持たせてはいけない。

それと同時に、
自分がエルヴィンに対して想う気持ちを
断ち切らなくてはいけない。


頭では理解しているのに、
エルヴィンを抱きしめる手を離す気には
どうしてもなれなかった。






エルヴィンは優しくエマを
抱きしめ返すと、

「いや、
こっちこそ驚かせてすまなかった。」

そう言って、ゆっくり息を吐いた。


「君は優しいからな。
こんな私を
放っておくことができないんだろう。」



「違うんです………」


思わず否定する言葉が口を突いて出る。


言ってはいけない、
そんなことは分かってる。

それでも、
もう言わずにいられる理性は
残っていなかった。

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