• テキストサイズ

自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第33章 心に触れるたび



「……すまない。」

エルヴィンは片手で顔を隠し、小さく息を吐く。


隠しきれない頬の一部を、涙が伝うのが見えた。



「年のせいかな。
涙腺が緩くなっているようだ……」

そう言うエルヴィンの声は少し震えていて、
エマは沈黙したまま、目を伏せた。




この涙の意味を
エルヴィンから伝えられたら、
自分はエルヴィンを選ぶだろう。




ダメだ。聞いたらダメだ。




心の中で繰り返し唱え、強く目を瞑った。





「……この涙の理由を聞いたら、
きっと君は私を選ぶのだろうな。」


エマはエルヴィンの
その言葉を聞くなり、顔を上げる。



「……なんで、分かったんですか?」

気付いたらそう言っていた。

まるで自分の心の中を見透かされたようで、
驚きを隠しきれなかった。



「分かるよ。
君はそういう女性だからな。」

エルヴィンはそう言うと、
顔を手で隠したまま小さく笑う。

/ 613ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp