第31章 プロポーズ
「それで、ある日突然
高そうな指輪を渡されまして。
さすがにそんな高価なものは
頂けませんって断ったら、
遠慮する必要はない。ってゴリ押しされて」
エマはその当時の事を思い出しながら、
申し訳ない気持ちになる。
「それでも、恋人でもない人から、
指輪なんてもらえないです。
と、ハッキリお断りしたら、
かなり愕然とした表情で、
恋人ではない?って聞かれまして。」
「……エマ。
本当に君は、酷なことをする子だね……」
エルヴィンは、笑いが止まらないのか、
苦しそうにお腹を抱えている。
「そんなこと聞かれる時点で、
何言ってんだこの人……
って、かなり不審に思いながら、
恋人ではないですよね、
って答えたんですけど。
後から仲良くなったサラにその話をしたら、
大笑いされまして。
それでやっと謎が解けた次第です。」