第31章 プロポーズ
「憲兵団の料理人になって早々、ナイル師団長に
“俺の為に毎朝スープを作ってくれ”
って言われまして。
まぁ、兵団の為=ナイル師団長の為でもあるか。
と思って、勿論です、って答えたんですけど」
「早々にプロポーズされてるじゃないか……」
エルヴィンは驚嘆しつつも、笑いを堪えている。
「そうなんですよ!
それ、そう言う意味らしいですね……
私、全然知らなくて。
普通にプロポーズを受けた形になってて。」
エルヴィンは笑いを堪えきれず、
肩を震わせながら頷く。
「その後、何度か食事やら買い物やら
ピクニックやらに誘われたんですけど
さすがに師団長と二人で行っても
楽しめないだろうな……と思って、
やんわりと断り続けてたんです。」
「ナイルに同情しそうになるよ……」
エルヴィンは発言内容とは裏腹に、
頬を緩ませた。