第31章 プロポーズ
エルヴィンとエマは
食堂で昼食をとりながら、
昨日のことについての話をしていた。
「え、昨日話したこと、
覚えてないんですか?!」
エマは思わず声を上げる。
「すまない……
君を諦める気はない、
と言ったことまでは覚えてるが、
それ以降の記憶が曖昧なんだ……」
エルヴィンは片手で目を覆った。
「無意識にあんなこと
言ったってことですか……?」
エマはそう言いながら、
昨日エルヴィンに言われた言葉を思い出す。
“君を愛することをやめられない、
だからと言って、
気持ちを分かって欲しいとも、
愛して欲しいとも言わないし、
見返りも求めない。
だが、愛されたくない、
とだけは言わないでほしい。”
よくもまぁそんなことが、
意識もあやふやなままで言えたものだ。
今思い出すだけでも、顔が火照る。
だがその発言を聞いて、
かなり気が動転したのは確かだった。
エルヴィンに対する愛情のような感情を覚え、
リヴァイに対する罪の意識を感じ、
混乱を招いた自分を責めた。