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自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第30章 愛されなくてもいい



自分はいつからこんなにも
女々しいことを考える生き物になったのか……


悪魔と呼ばれ、外道と蔑まれ、
自分でも認めざるを得ない程の
冷酷さと非情さを持って
兵団を率いてきた自分が、
人の心など、とうに捨てたはずの自分が、

こんなにも一人の女性を愛してしまっている。



エルヴィンは
そっとエマの頬に触れた。

それと同時に、
エマはため息を吐くような
呼吸をするが、起きる様子はなく、
また静かに呼吸を続ける。



エルヴィンはエマから手を離し、
目を瞑って自分の理性を働かせた。


これ以上触れたら、止まらなくなる。
この気持ちを、彼女にぶつけてしまう。



……もう、こんな思いをするのはやめにしよう。



いっそのこと、彼女を冷たく突き離し、
今後一切の接触を断とう。

彼女やリヴァイにとっても、自分にとっても、
それが最善の選択なのだろう。

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