第29章 愛していたい
少し落ち着きを取り戻した
エルヴィンは、エマをベッドに運び、
「……エマ。大丈夫か?」
と、呼吸の荒いエマの背中を、優しく摩る。
幾度となく情事を行った結果、
エルヴィンよりもエマの方が
かなり疲弊していた。
「……な、なんとか生きてます、」
エマはやっとそう言うと、
ベッドにうつ伏せで寝転んだ。
「エマ。本当にすまなかった……
かなり激情的になっていた……」
エルヴィンは心底自分に落胆した声で、
エマに頭を下げる。
エマはエルヴィンの手を引き、
ベッドに横にならせると
「いえ。私もそんな感じで、
理性が完全に崩壊してたので……
これでやっと、釣り合いが取れました。」
そう言って、エルヴィンに笑いかけた。
「いや。釣り合いが取れるどころか。
私は君に釣りを返す必要があるよ……」
エルヴィンは未だ落ち込んだ声で、
ため息を吐く。