第27章 ワインの思惑
「やはりナイルの仕業だったか……」
エルヴィンはため息を吐くと
「エマ。
君は飲むのを止めた方がいい。」
そう言って立ち上がる。
「え、何か変なものでも混ざってたんですか?
と言うか、エルヴィンさん、
大丈夫なんですか?」
エマがエルヴィンの腕を掴むと、
「……っ、ん、ああ。
少し休めば大丈夫だ。」
そう言いながら、
エマの手を振り払った。
明らかに様子がおかしい。
エマはそのエルヴィンの
動揺を隠すような素振りに、嫌な予感、
というよりも、確信に近い考えが頭を過る。
「もしかして……
前私がなった状態なんじゃないですか……?」
エマは、ハンジから
誤って手渡された薬を飲んだときの事を
思い出していた。
確かあの時も、今のエルヴィンと
同じような状態になったはずだ。
呼吸は荒くなり、顔は紅潮し、
鼓動の高鳴りを抑えることが出来ない。
そして何より、
下半身の疼きが止まらなくなった。