第26章 涙の意味
「俺、結構モテるから忙しいんだよ。」
「そうみたいだね。」
「……何、また目撃してたの?」
「いや、食堂で可愛い女の子の兵士が、
ジャンのこと格好いいって言ってたから。」
エマはそう言って片頬に笑みを浮かべる。
「何だよ、その顔。
納得いかないって言いたいのか?」
ジャンがエマの頬を軽くつねると
「納得はできるよ。
ジャン優しいし、思いやりあるし、
馬面扱いされてるけど結構かっこいいし。」
エマはそう言って小さく頷く。
「なぁ、最後の一言、
全然誉められてる気がしねぇんだけど。」
ジャンは眉間に皺を寄せた。