第26章 涙の意味
調査兵団が調査に出る4日前の夜。
ハンジはエルヴィンの部屋にいた。
「ねぇ。かなり腑抜けた顔になってるよ?」
ハンジはソファーに座って頬杖をつきながら、
机の前で書類に目を通すエルヴィンに
声をかける。
「ここにはお前しかいないんだ。
たまには腑抜けた顔になってもいいだろう。」
エルヴィンはハンジの指摘に
反論するわけでもなく、
書類から目を離さず答えた。
「そんなに嫌なら、
兵士たちに身体許さなきゃいいのに。」
ハンジの一言を受け、
エルヴィンは小さくため息をつくと
「そうはいかないよ。
既に明日は予約でいっぱいだからな。」
そう冗談めかして言うが、表情は硬いままだ。