第25章 存在意義
「ほんとにお前は
無茶ばかりしてくれるな……」
リヴァイはエマの頭に手を置く。
「……すみません。
色々動揺してしまって、正しい判断が
出来なかったみたいです……」
エマは頭に手を置かれたまま、
リヴァイに頭を下げた。
「お前らしすぎる判断だが、
それが正しくないことくらい、
少し考えればわかるだろうが。」
リヴァイは呆れたような口調で言う。
「お前はもっと、自分から人に頼れ。
何でも一人で解決しようとするんじゃねぇよ。」
リヴァイはエマの手を優しく握った。
「お前は俺の恋人だが、
それと同時に、この兵団にとって
大事な料理人でもあるんだ。
もっと自分の保身をしろ。
お前がいなくなったせいで、
兵士たちの士気が下がったら
どうしてくれるんだ?」
エマはリヴァイの手を握り返すと
「……すみませんでした。もっと冷静に」
そう言いかけて、
リヴァイに抱きしめられる。
「……もういい。
別にお前に謝ってもらいたい訳じゃねぇよ。」