第24章 生きている価値
基地の周辺に着き、
リヴァイ、エレン、ジャンは訓練に戻り
エルヴィンとエマは
基地に向かって再び歩き出す。
だが、エマは途中で立ち止まると、
エルヴィンに深く頭を下げた。
「すみません。
5年前に助けてもらったことで、
またエルヴィンさんに
嫌な思いをさせてしまいました。」
「いや、私は大丈夫」
「でも、もうあんなこと言わないで下さい……」
エマはエルヴィンの言葉に
被せるように言うと、
エルヴィンの袖を強く掴んだ。
「嘘でも、売り言葉でも、冗談だとしても……
生きてる価値がないなんて、
言わないで下さい……」
そう言い終わらないうちに、
涙が溢れ、地面にポタポタと落ちる。
エルヴィンは抑えきれなくなった感情を
ぶつけるかのように、
エマを強く抱きしめた。