第24章 生きている価値
「全員で思う存分、
気が済むまで甚振ってくれたらいい。
調査に出られない私は、
もう生きていても価値がないからな。
それなら君たちの実験材料にでもなろう。」
長髪の男は少し俯くと、小さく笑い、
次第にその笑い声は大きくなる。
「団長さん、なかなか面白い提案してくれるね。
人間はどこまで甚振られたら死ぬのか、
試してみたくなったよ。」
長髪の男はそう言って
エルヴィンの頬を拳で殴ると、
辺りに鈍く、重い音が響いた。
エルヴィンは殴られても
倒れも揺らぎもせず、再び男の方を向く。
男はエルヴィンの冷淡な目を注視しながら、
何度も拳を振りぬいた。
「お願いします!
もうやめてください!!」
エマは声の限り叫んだ。