第24章 生きている価値
長髪の男は、思わず少し後ろに下がる。
エルヴィンは男が下がった分だけ、
また少し近付いた。
「私は既に片腕がないが、
殺す分には楽しめるはずだ。」
長髪の男は少し困惑しているような、
怪訝そうな目で
「それは、俺にお前を
殺してみろって言ってんのか?」
と、エルヴィンを見る。
エマはエルヴィンの思惑を察し、
「エルヴィンさん!やめてください!」
と、今まで出したことのないくらいの
大声で叫んだ。
だがエルヴィンは、
「ただ殺すだけでは面白くないだろう。
残った片手の爪を剥がし、
皮膚を裂き、指を折ってもいい。
ナイフで至る所を刺し、
反応を見るのもいいかもしれないな。
生きてる人間の内臓を
観察して見たくなったことはないか?」
と、少し笑ったような表情で
男にまた詰め寄る。