第24章 生きている価値
「なんだ?
お前、この女とできてんじゃねぇのかよ。
噂と違うなぁ。」
長髪の男はそう言いながら
側にいた仲間の男の腹を、
思いきり蹴りあげた。
「っ……す、すみませんっ……!
確かにそう聞いたんですが……」
蹴られた男は蹲りながら
呟くように言葉を発する。
どうやらその男が、
噂を持ってきた張本人のようだ。
「できてないんなら、話は別だ。
団長さんには、俺の気が済むまで、
こいつらのサンドバッグになってもらおうか。」
「ほう。そんなものでいいのか。」
エルヴィンは長髪の男の言葉に被せる様に言う。
そして、長髪の男に詰め寄り、
「お前は、人を殺したことがあるか?」
と、耳元で呟くように言った。