第23章 望んでいない再会
「待てよ。それ、おかしいだろ。
そもそもアンタが捕まったのは、
自分が悪さしたせいなんだろ?」
ジャンは再びエマの腕を掴むと、
自分の方に引き寄せる。
「おい、本当に生意気なガキだな……」
長髪の男は、
今にも殴りかかりそうな勢いで、
ジャンを睨んだ。
エマは長髪の男とジャンの間に立つと、
「喧嘩より、
もっと楽しいことしませんか?」
そう言って長髪の男に笑いかける。
だが、
「いや。まずこいつを
しっかり締めてやんないとな。
世の中の渡り方を教えてやるよ。」
と、ジャンに近付いた。
エマは再び長髪の男の前に立ち、
「すみません……
この人にだけは、
手出ししないでもらえますか?
私なら、いくらでも殴ってくれていい」
そう言いかけたところで、
「エマさん!」
ジャンは声を上げ、エマの言葉を遮った。