第22章 相変わらずの目撃者
二人の会話を聞いていたジャンは、
「俺、このことは絶対、
口が裂けても口外しないです。
なので、兵長には
内緒にしとくべきなんじゃないですか……?」
と、エルヴィンに視線を向ける。
「私もジャンの意見に賛成だ。」
「え、でも、それもよくないんじゃ」
「エマ。黙っておくのが
心苦しい気持ちも理解できるが、
ここは言わないでおくべきだ。
……ハンジの身も危ないからな。」
エルヴィンは咄嗟に顔を上げた
エマの言葉を遮り、
申し訳なさそうな声で言った。
「すまない……
今日のことは心に留めておいてくれ。」
「……謝るのは私の方ですよ……
何かとトラブルに巻き込まれてすみません……」
エマは嘆息を漏らし、
「ジャン。何かと口止めさせてごめんね……
お願いします。」
と、ジャンに頭を下げた。