第22章 相変わらずの目撃者
その時、
「すみません、もう限界なんですけど……」
ソファーで寝ていたはずのエマが、
震える声で言った。
「二人して、そんな泣かせるような話するの
やめてくださいよ……」
エマは堪えきれず、ポロポロと涙を流す。
「エマさん、いつから聞いてたの?!」
ジャンは焦った声を出した。
「ジャンがエルヴィンさんに
見惚れてた辺りから、
意識はちょっとあった……」
エマのその答えを聞き、
ジャンはその時のエルヴィンの姿を思い出して
また少し、身体が熱くなるのを感じる。
「殆ど最初の会話から聞いていたわけだな。」
エルヴィンは小さく息を吐いた。