第22章 相変わらずの目撃者
「なんだ。そんな目で見るな。」
エルヴィンはジャンの視線に気付き、
小さく笑う。
「すっ、すみませんっ。」
ジャンは思わず目を逸らした。
エルヴィンはそっとジャンに詰め寄ると
「君も私に抱いて欲しくなったのか?」
そう耳元で囁くように言った。
ジャンは一瞬で赤面し、
「い!いえ!
あの、ちょっと見とれてしまって、」
と、思わず正直に答えかける。
エルヴィンは背筋を伸ばして
発言するジャンを見て吹き出すと、
「見とれるくらい魅力的な身体だと
褒めてくれているのか?」
そう言ってジャンの肩に手を置いた。
「……はい。
男から見ても、魅力的というか……
羨ましい身体だと思いまして……」
ジャンは目を伏せたまま、また正直に答える。
「そうか。ありがとう。」
エルヴィンは笑いながらそう言うと、
エマの寝転ぶソファーの隅に腰掛けた。
そして、優しい手付きで
エマの髪を撫でる。