第22章 相変わらずの目撃者
「どんだけ強力な薬なんですか……」
話を聞き終わった後の感想は、
一言でまとめられるものだった。
「ハンジの作る薬は、大体が劇薬だからな。」
エルヴィンはそう言いながら、首元を緩める。
「だが、今回のは特に凄かったようだな。」
そう言った目線の先には、
少し頬を赤らめ、
ソファーに横たわるエマがいた。
「……というか、
どうやったらこんなになるんですか?」
「だからそれは薬の影響だと」
「いや、そうではなくて……」
ジャンはエルヴィンの言葉を遮り、
一瞬発言に迷うが
「エマさんが気を失う程の情事が、
想像できなくてですね……」
と、言葉を濁すように言った。