第4章 料理長らしく
その時、
「おい、俺の恋人に何か用か?」
食堂のドアから
明らかに不服そうな顔のリヴァイが
顔を覗かせた。
「リヴァイ。
……ああ。やきもちを妬いているのか。」
エルヴィンはそう言って、
エマの頭から手を離す。
「リヴァイさん。お疲れさまです。」
平然とリヴァイに声を掛けるエマに、
「おい、もう少しエルヴィンを警戒しろ。」
と、リヴァイは不機嫌そうに言った。
「今、大事な話をしてたんですよ。」
エマはそんなリヴァイを見て少し笑うと、
さっきのエルヴィンとの話を
大まかに伝えた。
「ということは、
これからはあまり食料が
配給されねぇってことか。」
リヴァイはエマの隣に座り、腕を組んだ。
「そうみたいです。
でも、ある程度予測してたことなんで
これからは保存食も使いながら、
献立を考えます。」
エマはなるべく明るく振舞う。
「大丈夫ですよ。
こんな時くらい、
料理長らしく頑張りますから。」
「エマ。
君は十分頑張っていると思うよ。」
エルヴィンは優しい表情でエマを見た。