第20章 栄養ドリンクの秘密
「あ。きっとエルヴィンだ。
書類の提出期限、切らしてるから。」
「またですか?!」
モブリットは思わず声を上げる。
ハンジのこのセリフには毎回肝を冷やしていた。
団長のあからさまに不機嫌な顔が
目に浮かぶ……
モブリットのそんな思いを知る由もなく、
「さすがに、普通に渡しても
飲んでくれそうにないからなぁ。」
ハンジはそう言うと、
普通の栄養ドリンクが入った瓶を手に取り
「一緒に飲もうって言ったら、
安心すると思わない?」
と、小声でモブリットに問いかける。
「どうですかね……
と言うか、早く出ないと……」
モブリットがそう言ったところで、
またドアをノックする音が聞こえた。
「やばい。
怒らせたら飲んでもらえなくなる!」
ハンジはそう言って二つの瓶を机の上に置くと
急いでドアを開けた。