第9章 最高で最悪な一年
「いや、仕方ないさ。」
「お待たせいたしました。こちらカルボナーラとペペロンチーノでございます。」
『ありがとうございます。』
カルボナーラはとても美味しくてほっぺたが落ちそうだった。
『ん〜美味しすぎる〜』
「喜んでもらえて何よりだ」
少し寂しそうに私を見つめる千速さん。
なんでそんなに悲しそうな目をするのだろうと思っていたら
「研二もさくらはカルボナーラ食べてる時が1番幸せそうににこにこしながら食べるんだよね〜って言ってたんだ。それが懐かしいと思った。。」
『研二くんも言ってましたよ。姉ちゃんも飯食べてる時幸せそうな顔してんだって。これからもご飯食べる時は笑顔じゃなきゃなぁって思ったんですよね』
「そうか」
ふっと笑い、話をしながら食べたご飯は美味しかった。
「『ご馳走様でした。』」
「さくらは先に車に戻ってな。会計しとく」
『私が払いますよ!?』
「資料の礼だ。」
お互い譲り合わなかったから渋々私は千速さんに奢られることにした。
『ありがとうございます』
「いんだ。気にするな。年下に奢られる方が嫌だしね」
笑いながら話す千速さん。
「もし後輩とご飯食べに行くときは奢ってやるんだよ。年上に奢られて、浮いた金で年下に奢りな。」
『はい!』
車にのり千速さんを神奈川県警まで送った。
「じゃあ、またな。今日はありがとうね」
『はい!こちらこそありがとうございました!』
萩の資料を渡すために神奈川県にきたのはいいけど…
兄弟で一緒にご飯食べたかったな
涙を流しながら本庁に戻った。