第9章 最高で最悪な一年
「さくら!」
『千速さん!すみません、お待たせしてしまって…』
「いいんだ。気にするな。」
『どこかお店に入りましょう。おすすめのお店ありますか?』
「さくら確か…パスタ好きだったよな。」
覚えてくれてたんだ!!
「前に同僚と食べに行った時さくら好きそうなとこだったんだ。行く?」
『はい!!道案内お願いしてもいいですか?運転します!』
「よし、行こうか」
車を走らせ千速さんのおすすめの店に行くことにした。
「ここだ。」
『気になってた場所だ!』
「ほんとか?ならよかった。」
店に入り注文をしたあと
『これがお願いされてた資料です。』
千速さんも今年例のヤマが動くと知って調べてた。
けど千速さんは神奈川県警。いくら身内だからと言って細かい資料が手元にはなかなか届かなかった。
「ありがとう。わざわざ持ってきてもらって悪かったな。」
一通り目を通して放った言葉は…
「やはり、ほとんど分かってなかったか。。」
『申し訳ありません…。我々もなかなか目星もついてなくて…』
ーーーーーー公安資料ーーーーーーーー
件名:タワー連続爆破事件
殉職者:萩原研二隊員 他数名
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ホシの目星
メガネ、痩せ型、身長170-180
共犯者の証言においても特徴的なものはなくホシについても特になし。
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全国に指名手配していてもなかなか難しい。特徴的な証言がないのだから。