第9章 最高で最悪な一年
櫻side
陣平と別れ、公安部に戻ると
「ねえ櫻さん。」
『何?』
「なんで松田さんと同じ倉庫からでてきたんですかあ?」
『。。。』
ここにいる公安警察の大体は私と陣平が結婚していることを知っている。
だって配属されたときに入籍したようなもんだから公安部では有名な話だった
彼女は去年警視庁に配属になったばかりの新人。知るはずもない。誰もこの話題を口にしないのだから。
優秀だからと聞いて私の部下になったのだけどそこそこ癖のある人だった。
「私の松田さんとらないでくださいって言いましたよね」
後ろにいる部下たちがはらはらした顔でこっちを見ている。
「風見、戻りました。」
零のところに行った風見が戻ってきた。
「え、何ですかこの雰囲気」
『はあ、風見に聞かなかったの?』
「だって風見さん教えてくれないんですもん」
『零から口止めされてるか。』
ぼそっていうと渡辺は不満げに
「妻子持ちに手を出すなって言ってる櫻さんこそ松田さんに手を出しているじゃないですか」
『悪い?私の旦那なんだけど。』