第9章 最高で最悪な一年
俺が萩のこと調べるなんて言ったってぜってーに許可が降りるはずがねぇ。
『あー、ほんとはここわたしの管理下にあるからいつでも閲覧できるのよ。わたしの許可さえあれば。いくら身内でも許可するのは出来なくて。だから予定はなかったんだけど、警部に昇進した時に上層部に伝えたのよね。萩原研二隊員の資料の閲覧は許可させてくださいって。』
「なるほどな。」
俺がくることを見越して上層部に願い出たってことは…
『陣平が、知らないわけないもんね…』
『毎年捜査一課にFAXが来てること』
『これが萩に関する資料よ。』
「ああ。一昨々年が3、一昨年が2、去年が1。これは間違いなく」
『「カウントダウン」』
今年はなんらかの形で動きがあるはずだ。
くそ。さっさと異動してぇのに…
『焦りこそ最大のトラップ』
!!
『いつもあなたが言ってるでしょ?焦りこそ最大のトラップだぜって』
「ふっ。そうだったな。」
『もうあまり時間はないけど、まだ時間がないわけじゃない。』
『時間が許す限り、あいつの情報を探りましょう。』
「だな」