第9章 最高で最悪な一年
『渡辺さん、さっき風見が探していたわよ。彼に頼まれた用をさきに片してからにしなさい』
櫻の顔がくそ怖え
「はあい」
『それから、公安に妻子持ちに手を出すような奴はいらないわ。』
「ちぇ。櫻さん、そんなに怖いから結婚できないんですよ」
ぶちっ
『失礼な人。松田君の奥さん、知りたいなら風見にでも聞きなさい。』
「おいっ櫻。」
『松田君話があるの』
「あ、櫻さん私の松田さんとらないでくださいね」
誰が誰のものだって????
『さっさと行きなさい渡辺。』
怒った櫻は俺の手を引きながら櫻が管理している倉庫内に入った。
「おい、あいつなんなんだ」
『男癖の悪い女よ。』
「まじかよ。」
『はああああ、陣平のこと狙うなんていい度胸してるじゃない。』
さっぱりしているように見える櫻は意外と嫉妬深い。
「心配すんな」
「俺には何よりも大事にしないといけない家族がいるんだから」
『そういえば、この倉庫に何か用でもあったの?』
実は、櫻にお願いして公安部が管理している倉庫に萩の情報があるんじゃねえかと思って前々から櫻にお願いしていた
こんなところに俺と櫻が二人きりでいるとよからぬ噂が立つかもしれない。
櫻が既婚者なことを知っている人はあまりいねえからな。
「萩のこと調べたくて、、お前は公安だから俺たちが知らない情報持ってんだろ」
『まったく。仕方ないわね。あまり期待しないでね。大した情報は未だに掴めてないの。』
「俺の知らねえことがあってたまるか。そもそもよくここの資料室の閲覧許可降りたな」