第9章 最高で最悪な一年
「あ、櫻さん」
「櫻?なんでこんなところに」
『捜査1課に来たついでにあなたに顔を見せようと思って』
「この女と知り合いか?」
「あ。」
『…ええ。私の部下よ。』
「てことは、」
「すみません、自己紹介が遅れました。警視庁公安部の渡辺りあといいます。」
「公安かよ。」
「あの、松田さんと櫻さんって、お知り合いなんですか?」
『なんであなたにそんなことを教えないといけないの?』
櫻が怒った表情をしている。
「あ、えっと、私松田さんのことが好きなので、、」
「わりいけど俺、嫁も子供もいるって話前もしたよな?」
「でも奥さんに言わなきゃばれないじゃないですか。」
ねえ、あなたクビにされたいの?
って顔をしている。
櫻は立場上仕事中は指輪をつけることはない。
だから名字が同じでも指輪をつけている俺とつけていない櫻が結婚しているとは思わないんだろうな。