第6章 過去に囚われるな
さくらside
翌日、起きたらすぐに検査に入った。
結果なんの問題もなく、明日の退院が確定した。陣弥とも一緒の病室になり、お腹をすかせてた陣弥にお乳を飲ませてた。
ガラッ
「よう、検査どうだった?」
『ちょっと。ノックくらいしなさいよ。』
「わりぃな。」
『今、陣弥にお乳あげるの。検査はなんの問題もないみたいよ。』
「…。」
『どうしたの?』
「俺、やっぱり特別班に異動したい。」
『いいんじゃない?』
そんなこと言い出すだろうとは思ってた。
大事な親友を爆発で亡くし、今回も私と陣弥のことも爆弾で狙ってきた。たとえ同一犯でなくても陣平が特別班に異動したいと言ってくることは簡単に予想できた。
「反対しねぇのか。この前も異動届けが不受理になったばっかなのに。」
『爆処にいるよりは安全だからね。私は公安だし潜入捜査がある。決して安全とはいえないことだってやる。爆処は爆発してもおかしくない爆弾を解体しないといけなくていつ死ぬかわからない。』
「ごめんな、昨日怒って。死ぬかもしれねぇってのが怖かったんだ。また萩みてぇに爆弾で家族がいなくなるんじゃねぇかって。怖かったんだ。」
『独り身だとそんなことあんまり思わないだろうね。大事な人が顔も知らない人に殺されるかもしれない恐怖は警官が1番わかってる。陣平が怒る気持ちわかるよ。私こそ無茶してごめんなさい。』