第2章 Fr.1
千秋「アオイ?大丈夫か?家に帰るか?」
アオイ「..良い。大丈夫だ。心配かけて悪い...。」
千秋「お前は...ハルって名前なのか?」
アオイ「....っ。違う....俺はハルじゃない....「アオイ」だ。」
千秋「.....。」
俺は何も言えなくなってしまった。
どうしても思い出したくない過去かあるのだろうか?
橘くんと「アオイ」の関係は?
アオイ「頼む、千秋..。俺を彼奴から守ってくれ…。」
千秋「橘くんから?」
と聞くと頷いて答えた。
アオイ「俺は彼奴が嫌いだ..。」
千秋「橘くんのこと知ってるの?」
アオイ「分からない...。けどもう二度と逢いたくない..。」
千秋「分かった。全力を尽くすよ。」
アオイ「ありがとう、千秋。お前だけが頼りだ。」
とふと少し微笑んだ気がした。
俺は、ずっと無表情だと思っていたけど、笑うこともあるんだと胸がときめいてしまった。
俺は、絶対こいつを守ると心に誓った。
千秋「よしっ。散歩しに行くか。」
とアオイの冷たい手をそっと繋いで歩き出した。
アオイ「ああ..。」
少しは距離が縮まったかなと嬉しくなった。