第2章 Fr.1
リビングに向かうとばあちゃんが起きていた。
祖母「おはよう。千秋くん。今日は遅いね?学校は?」
千秋「もう夏休みに入って一ヶ月くらい休みだよ。」
祖母「そうかい。君も目が覚めて安心したよ?」
とアオイに声をかけた。
アオイ「....どうも。」
千秋「俺のばあちゃん、父さんのお母さんだよ。」
祖母「藤澤チエコです。よろしくね?」
千秋「ここに座ってて?トースト焼くからちょっと待ってて?」
と椅子を引いて座らせた。
アオイ「ああ。」
チエコ「それにしても大人しい子だねぇ。何歳だい?」
アオイ「....何歳?分からない..。」
チエコ「何処から来たの?」
アオイ「......。」
千秋「お待たせ!ジャム付けて食べてね?」
とアオイの前にトーストと牛乳を置いた。
すると彼が俺の裾をくいっと掴んだ。
千秋「うん?どした?」
アオイ「俺、この人嫌い。」
千秋「ああ〜ばあちゃんは口うるさい人だから、色々質問されたんでしょ?ばあちゃん、アオイは記憶喪失みたいなんだ..だから余り根掘り葉掘り聞かないであげて?」
チエコ「そうだったのかい?質問攻めにしてごめんね?」
とばあちゃんがリビングから出て行った。
改めて俺たちは朝食を食べ始めた。
千秋「ごちそうさま!そうだ!後で、岩鳶町を紹介してあげるから、散歩に行こうか?」
アオイ「散歩?」
千秋「おう!散歩したら何か思い出すかもしれないだろ?」
アオイ「.....。」
千秋「大丈夫だって!絶対思い出すって!思い出すまで付き合うからさ!」
と不安そうなアオイを励ましてあげた。