第2章 Fr.1
Side遙
俺は、目を覚ますと見覚えのない天井が見えた。
ゆっくりとベッドから起き上がる。
すると、ベッドの横で誰かがうずくまっているのが見えた。
(こいつが俺をさらったのか....?)
ベッドから降りてそいつの頬をツンツンしてみた。
千秋「うっう〜ん....。」
とうめいただけで起きる気配がない。
もう一回ツンツンしてみた。
千秋「うふふ....くすぐったいよ...。」
と寝返りを打ってしまった。
良かった。悪い人では無さそう...
と安堵した。しかし、ここで安心してはいけない....。もしかしたら寝てる時だけが無防備なだけで本当は悪い人かもしれない....。
俺は、起きるまで観察をし続けることにした。
※
俺が目を覚ますと青い目と目が合った。
千秋「うわっ!びっくりした!起きたんだね?体調大丈夫?」
と聞くと彼はこくんと頷いた。
千秋「どこか怪我してない?痛い所は?」
「大丈夫だ。」
千秋「ああ〜君の名前は?俺は千秋。」
と言うと彼は困った顔をして首を傾けた。
「......分からない。」
千秋「え?」
うわぁ〜面倒臭いパターン....記憶喪失だよ。この子.....。
千秋「ああ〜じゃ仮にアオイって呼んでも良いかな?君の瞳が青くて綺麗だからさ。」
と言うと驚いたのか、目をパチクリさせた。
千秋「え?そんなに驚くこと?」
アオイ「俺の瞳が綺麗だなんて言われたのは、お前が初めてだ。」
千秋「そうなんだ....。思ったことを言っただけなんだけどなあ。とりあえず、下に降りよう?朝食だ。」
とアオイの手を引っ張って下へ降りた。
彼の手は、びっくりするほど冷たかった。