第6章 問題4 江戸って京都?
「みんなに紹介する。今日からここに住む事になった優姫ちゃんだ」
ぽん、と背中を叩きながら紹介されているのだが、優姫はぽかーんと目を丸くするのだった。
何故か皆食い入る様に見てくるからだ。
江戸のトラブル娘
問題4 江戸って京都?
「えと…………優姫です。よろしく……お願いします?」
疑問系で挨拶をした所、歓声が沸き上がるのだった。
「女の子――!」
「若い!」
「可愛い!」
「小さい!」
口々にガッツポーズをしながら喜んでいる人達に優姫は目を丸くする。
「お前等喜ぶのは別に良いけど手出したら怒るからな」
近藤がそう言うとブーイングの嵐が起きた。
「局長ばっかり一緒にいてずるいっすよ!」
「そ―そ―!俺達だって色々話したりしたいですよ」
「盛り真っ盛りのお前等に可愛い――――優姫ちゃんを近づける訳ないだ折るがァ――!」
ぎゃーぎゃーと口論を始めだし、優姫がぽかーんと見ていると何事もない様に座っていた総悟が手招きをしてくる。
どうすればいいか分からなかったし丁度良かったので優姫は総悟の隣にすとん、と座った。
「まァむさ苦しい男集団ですからねェ。優姫みたいなァ女の子がいるなんて天国なんでィ」
「ほへぇ」
「取り合えず歓迎するからゆっくりすると良いですぜェ」
他人事の様にへらへらと言った総悟を優姫はじ―っと見ていた。
そんな優姫の視線に気付いたのか総悟は笑顔で尋ねた。
「どうかしましたかィ?俺に惚れたとか」
「ん――っとね、土方にーちゃんと追いかけっこするのって楽しい?」
今日の昼間の事を尋ねてこられ、総悟は頬を掻きながら言った。
「まァ楽しいって言えば楽しいですねェ」
近藤の暴走を一人止めようとしている十四郎を見ながら総悟は言った。
「土方さんはからかうと楽しいですからねェ」
其処まで話すと優姫が総悟の隣に座っていたのに気が付いた十四郎が言う。
「テメェどさくさに紛れて何ちゃっかりしてるんだよ」
「土方さんがァマヨネーズ臭いから優姫嫌になったんですってェ」
にやにやと言った総悟に十四郎は腰に下げている刀を掴んで叫んだ。
「よぉし外出ろ総悟ォォォォォォォォ!」
「嫌ですよ、今ァ優姫と話してて忙しいですからァ」