【原作沿い夢小説】私とー日常編ー【復活/雲雀恭弥】
第6章 第4話 私と部活動
さっきから綾も有美もどうしてたけちゃんの事をこんなにも心配しているのだろう。雲雀の事にたけちゃん全然関係ないのに。
「とにかくこれ以上雲雀さんの前で山本くんの名前出したら駄目!分かった !! 」
有美に一押しされてしまい、私は勢いで頷いてしまった。此処まで必死な有美は初めて見る様な気がして……。
雲雀の方と言えば不機嫌絶頂期らしく、既にドアが殴り壊されていた。
「…………で……誰?」
「は?」
じりじりと寄ってくる雲雀を見て、本能で避けながら私は答えた。
「幼馴染み。じゃっ」
殺気を放つ雲雀を上手く避けきり素早く教室を出て行いくと、綾の怒り声が背後から聞こえた様な気がした。
でもこれ以上雲雀に付き合っている暇はないので、私は足早に運動場へと向かうのだった。
◆
「たけちゃんっ !! 」
野球部の練習に顔を出すと、バットを素振りしているたけちゃんがいた。呼ばれたたけちゃんはすぐに私の事に気付いてくれて、笑顔を返してくれた。
「おっ、音羽。今日も顔出すのか」
「うん」
取り敢えず、と適当な所にカバンを置き、たけちゃんの側に寄って言う。
「……調子どう?」
心配しながら尋ねると、たけちゃんは私と対照的にいつもの表情で答えてくれた。
「ん――相変わらずだけど音羽は気にする事ねーよ」
ぐしゃぐしゃっと頭を撫でてくれるのだが、やっぱりたけちゃんは元気が無い様な気がした。
「でも今までこんな事無かったもん……心配だよ」
最近たけちゃん野球のスランプで調子が良くない。今までこんな事なかったから、たけちゃん自身もかなり悩んでいる。
無理して元気でいる様な気がして心配……。
「…………私、野球してるたけちゃんが好きだもん。野球でき無くなっちゃったら淋しいよ」
ぎゅっとユニホームの裾を掴むと、たけちゃんはいつも以上に頭を撫でて言ってくれた。
「大丈夫だって。すぐに元に戻るからさ」
「たけちゃん……」
「こらぁ !! 武お前惚気てる暇合ったら練習しろっ!音羽も部活来たなら仕事しろ仕事 !! 」