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訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第13章 魅惑の香【🦾主 ← 🫖 & 🌹 ✉*】


「や、………ぁ、ん」
か細い艶音が、室内に響いている。



「ひぅっ! そこ、ぐりぐりしちゃ、いやぁ………。」

けれど内奥のある一点をかすめた時、華奢な身体が跳ねた。



「ここ、ですか?」

彼女の弱点をみつけたベリアンは、その一点を何度もすり上げる。

その執拗なまでの触れ合いに、ますます瞳が滲んだ。



「あらあら……。先程よりもあふれてきていますよ、心地良いのですか?」

ずん、とくり返し突き上げると、恨めしげな視線を向けられる。



「やっ……も、入らな………。」

むずがるようにのたうつと、その瞳が和んだ。

愛しさが融けだしたような、柔く温かな瞳。



「ぁ、ひ、ぅ……ぁっ………!」

奥をつつかれるたび、霞むような快楽が襲ってくる。

逃げようと身を捩るけれど、抱きしめることで押さえつけられた。



「ひっ……! 奥っ……だめ………!」
どちゅ、と音がして、最奥にえらがめり込んだ。



自分自身でもふれたことのない箇所を、捏ねられるような感覚。

ふたりから同時に愛されているこの状況に、何処までも溺れてしまいそうだった。
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