• テキストサイズ

訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第12章 降りし日は、貴女と。【All Characters 別邸✉】


「テディちゃん、………逃げたな」


「今回ばかりは私も同感です」

寝台にかけられていた毛布を引き寄せ、さっと彼女の肩に被せた。



「……ありがとう」

毛布に身体をくるんで、ゆら、ゆら、と揺れる炎をみていると、瞼が重くなってくる。

ふら、と座ったまま傾きかけたその身を、力強い腕が抱き留めた。



「わっ、………主様」


「すぅ、………すぅ、」

眠ってしまった彼女にしっかりと毛布を巻き付けて、彼女を抱き上げた。



「おやすみなさいませ、ヴァリス様」

そっと寝台へ下ろすと髪を撫でる。

その優しい手付きに安心して、意識が完全に夢幻へと沈み込んだ。



………名残惜しそうに解かれた指が誰のものなのか、彼女だけが知らない。
/ 242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp