第2章 ハート海賊団
手に持っていた酒瓶がパッと消え、海の方にポチャン…と落ちる音がすると代わりにローの腕に少女が抱き抱えられていた
先程のサークル内であれば、オペオペの実の能力で対象のモノを自由に入れ替えることが出来る
「………ぅ…」
僅かに唇が動いたのをローは見逃さない
「シャチ、ペンギン、オペするから手ェ貸せ」
「「アイアイサー!」」
オペ室ではローが的確な処置を施していく
“ROOM”
“スキャン”
目には見えない体の中の外傷を確認していると
「キャプテン……この子の足…」
それは抱いた時から目に入っていた、長年付いたであろう黒い筋
足首にある“それ”が何を意味するかなんて言わなくても分かる
(…“奴隷”か?それで逃げ出した?いや…そんな簡単にいくことじゃねぇ
だけど、奴隷の証“焼印”が、ない…
なら、なぜコイツに足枷のアザが?
まぁ、いい
意識が戻った時にでも聞けば)
結局、本人から聞けば全て分かると思ったローは黙々と治療をしていく
診察の結果、少女は脱水症状と足にヒビが入っていた
「キャプテン、さっきの子大丈夫…?」
「ひとまずはな。後は意識が戻れば問題ない。」
ドアから心配そうに尋ねるベポだったが、ローの言葉でパァっと明るくなった
ベポはぐったりしていた少女の具合をずっと気にしていたのだ
ローに診てもらえれば大丈夫、と信じていてもやはり不安にはなるので様子を見に来たのであった
優しいベポにローは何かあったら知らせろと告げ、自室へ戻って行った