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虎は姫に過保護なり

第2章 ハート海賊団


「この間の嵐が嘘のように天気が良いね、キャプテン」

「あぁ」


喋る白いもふもふ姿のシロクマ…ベポは船の舵を取りながら隣で本を読んでいる人物に話しかける



“死の外科医 トラファルガー・ロー”


彼は悪魔の実 オペオペの実の能力者であり、
この船、ハート海賊団のキャプテンである




「そういや、キャプテン知ってるっスか?あの嵐に飲み込まれたドジな海軍の船があるって話」


帽子を被った船員、ペンギンが顔を出してきた


「…随分、マヌケな野郎共だな」
「実はさっき郵便カモメが持ってきたのを見て知ったんスよー」

これこれーと手に持っていた新聞をひらひらさせてローに渡す


「えー、何何?俺にも混ぜてくれよキャプテン」

また1人、サングラスをかけた船員シャチが上がってきた



手渡された新聞の見出しには…


【海軍船 嵐に見舞われ転覆する】

【死者・行方不明者多数】


次の言葉に読んでいた3人は違和感を覚えた





【異能者の姫 消息を断つ 
    海軍は体制を立て直し現在捜索中】



「異能者?悪魔の実の能力者の事っスかね?」
「でも、それなら普通に悪魔の実の能力者って書くんじゃねーの?」


ロー自身もどこか言葉に違和感を感じていた
わざわざ異能者という言葉を選ぶ辺り政府が何か隠している様に思える



「つか、姫って事は女の子だよな?海軍の野郎女の子を拉致ってたのかよ!相変わらずひでぇ奴らだぜ」



姫の文字を見たシャチが苦言を漏らす




そんな会話の中ベポがぼそりと呟いた




「キャプテン……あそこに女の子がいるよ?」

「「「…は?」」」


ほら、あそこと指を差した方向には木の板があり、そこに何かが乗っているのがぼんやり見えた


「いやいや、流石に海のど真ん中に女の子がいるわけ…まぢだ!」
「つか、ヤバくないっスか?」
「…キャプテン」

ベポは皆まで言わないがつぶらな瞳が揺れている


「…チッ」





本当に、ただの気まぐれだった

海に放り出された奴の結末なんか高が知れている

だけど、自分は海賊である以上に医者でもある

だから




“ROOM”



“シャンブルズ”





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