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虎は姫に過保護なり

第3章 心境変化


「んん…!!」

ぷるぷるし出した手に懸命に力を込める
そうでもしてないとあっという間に手から釣竿ごとすっぽ抜ける勢いだ

「あやめ、頑張るッス!あともうちょっと!」
「んんんんん……っ!…あ!!!???」

ザッパーーーーン!!


ビチビチビチ…


「やるじゃないっスか、#NAME#、大物ッスよ!」
「こ、れ……私が釣ったの…?」


目の前には先程暴れ回って翻弄していた見た事のない魚がビチビチと跳ねている
池にいた錦鯉とは全く違う姿に戸惑っていると

「あ、確かコイツ血抜きしないとあっという間に鮮度が落ちるんだったかな…ちょっと道具取ってくるけど、絶対触っちゃダメっスよ?」

そう言うや否や船内に戻って行ってしまい、この奇妙な魚と二人きり?になってしまった
ビチビチと跳ねる為、予測が出来ないあやめはオロオロしていた

その時…


「きゃっ!!」

魚が跳ねた勢いでこちらに飛んできて、思わずしゃがみ目を瞑ると扉が勢いよく開けられた

恐る恐る目を開けると魚が真っ二つになっていた
ローが切ってくれたのだった

「あ……ろ、ロー…」
「バカヤロウ!噛まれるとこだったぞ!!」
「っ!!!」

どうやら、この魚は獰猛な種類らしくおまけに毒持ちだと言うのだ

「ご、ごめんなさい…っ!私が、ちゃんと避ければ良かったのに……。……ロー?」


ドサッ

「ローッ!?」

急にローの体がよろけそのまま倒れ込んでしまった
息が荒く、汗もすごい

うっすらと手の甲に引っ掻き傷がある

「さっきの魚のせい!?ロー!しっかりして!!」
「どうしたの?あやめ…そんな大声で…ってキャプテン!!」

騒ぎを聞きつけてベポが来た
事情を話しとりあえず診察室へ運んで貰った

合流したペンギンとシャチも一緒に来てもらい応急処置をしたが、当然ロー程の医療の知識があるわけではない為、最低限しか処置出来ない


「あやめ、大丈夫だよ。キャプテン強いからすぐ良くなるよ」
「そうだせ、キャプテンがこんな毒如きでやられる訳ねぇよ」
「キャプテンなら大丈夫ッス」

みんな口々に大丈夫と言っているが、内心どうしたら…の色が見える




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