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虎は姫に過保護なり

第3章 心境変化


正直、驚いた

味付けも濃すぎず、薄すぎずで塩梅がいい
ちゃんと具材の下処理がいい事が素人でも分かる

「…うまいな」

素直な感想だった

「よかった、おかわりもあるから遠慮しないでね」
「あやめー!おかわり!」
「俺もっス!!」

騒ぐクルー達を横目に味噌汁をすする



(コイツがいるだけで、こんなにも賑やかなもんだな)










「ごちそうさまでした!いやー食った食った!」
「あやめ、ボクが洗っておくから休んでてよ」
「あやめー、夜は酒が呑みたいっス」

たくさん作った料理はあっという間にクルー達の胃袋へと消えていった
気持ち良い食べっぷりにあやめも嬉しくなった


「ありがとう、それじゃあベポお願いしてもいい?」
「アイアイ!任せてよ!」

「それじゃ、診察するぞ」

ガタッと席を立ち、そのままあやめを担ぎ上げた

「ひゃあ!?ろ、ろ、ろ、ロー!!」
「うるせぇ、黙って担がれろ」

淡々と言うローに対して、あやめは突然の事で驚きつつ顔を真っ赤にしてジタバタしていた













ようやく、診察室のベッドへ下ろしてもらったあやめはローに抗議した

「もうっ!いきなりあんな事しないでよ!びっくりしたじゃない!」
「あ?その方が早いから担いだ、何か問題あるか」
「そうゆう事じゃなくてっ、その、私…重いから…」

乙女心を理解してないローにごにょごにょと口籠る

「……むしろ、軽すぎぐらいだ。もっと肉を食え」

ぽんっと頭に手を置かれた



足の具合を見てる時、ローはふと先程疑問に思った事を聞いた


「おまえ、料理どこで覚えた?ワノ国では姫だろうと関係ないのか?」
「…自分で見よう見真似で作ったのよ、それに…」
「なんだ」
「…最初から姫なんかじゃなかったし」


最初から姫じゃない?
途中から姫になれるものなのか?

いや、国によって制度とかも違うだろうしあり得るのか

でも

なんでそんな顔するんだ…?



「そうだ、ねぇロー?私海見ていたいんだけどデッキにいてもいいかしら?」
「…あ、ああ。確か、シャチがいたから何かあったらアイツに言え」


あやめは頷くとゆっくりと歩いて部屋から出ていった









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